6月8日(金)、横浜市開港記念会館で行われた第二回神奈川ピアまつり(主催:YPS横浜ピアスタッフ協会)に、シンポジストとしてお招きいただきました。

 

シンポジウムのテーマは、「ピア活動の今後」について。

 

福祉新聞の福田氏司会のもと、神奈川内で30年以上ピア活動を行なっている尾山氏、ひきこもり当事者グループひき桜 in 横浜代表の割田氏と共に、シルバーリボンジャパン代表の立場として私もお話しさせていただきました。

 

尾山氏、割田氏、私の三名のシンポジストに共通することは、それぞれがそれぞれのやり方で、独自のアクションを展開しているとのこと。そこに着目していただき、この度主催者からお声がけいただいたとのことでした。

 

私は事業者の立場であることから、壇上ではピアスタッフを雇い入れる際に課題となることを尋ねられましたので、次のような内容をお話しさせていただきました。

 

・前提として、ピアスタッフを受け入れるための体制(環境)づくり、基盤の整備が重要となること。(中途半端な体制で受け入れることは、後になって労使双方でしんどくなる)

 

・組織の管理職だけでなく現場の全ての職員に、ピアスタッフを受け入れることへの理解や配慮(適材適所のサポート)等、協力を取り付ける必要があること。

 

・ピアスタッフを雇い入れる上でのストレングスやベネフィット面はもとより、課題やリスクとなりうる面もしっかり把握する必要があること。

 

・ピアスタッフの活動の場を広げていくために、受け入れて(雇用して)良かったと思える成功事例を増やしていく必要があること。

 

例えばサービス利用者からしたら、ピアスタッフも責任を担うスタッフの一人として認識され、それに見合うだけの支援力や業務遂行力を求められることは不思議ではありません。当事者だから・・との言い訳が許されない場面に直面することも考えられます。

 

ピア活動の発展と、当事者やその家族の皆さんに前向きで充実した生活を送ってもらいたいと願っているからこそ、少し厳しいと思われるかも知れない課題点や問題点(課題点や問題点は当然雇用主側にもあります)にまつわることもお話しさせていただきました。

 

精神保健医療福祉以外でも様々な分野で注目され普及の機運が高まるピア活動ですが、一過性の盛り上がりではなく、その活動が意義あるものとしてそれぞれの地域に根付かせていくための手がかりを、シンポジストや会場の皆さんと共に検討することができました。また、この度は277名の方が参加されたとのことで、当事者、家族、学識者、医療福祉従事者のリレートークも大変盛り上がっていました。

 

私はピア活動はリカバリーを実現するための有効な手段の一つであると考えています。

 

神奈川のこの熱気が冷めることのないよう、それぞれの地域でピア活動が普及・発展していくことを心より願っています。