基本的なことだが、自分が就労支援に関わる際には、まずはその人の全体像を把握する。当然それには、その人の職業特性や生活環境も含まれる。
一番重要なのは、その人のセールスポイント。いわばストレングス。
もちろん課題となっているもの、なりうるものを見落としてはならないが、それより大事なのはその人の長所だと思っている。
日々のトレーニング(訓練)でいかにして長所を伸ばし、課題も徐々に克服していくか。これが一番基本的かつ理想的な形だけど、実際はそんなにスムーズにいかないのが実情。
だからこそ、日々のトレーニング(訓練)で長所を伸ばし、課題を克服するための繰り返しを実践することが、本人はもとより支援者にも求められる。
繰り返しを実践する中で、段々とマンネリ化することもあるし、高い気持ち(モチベーション)を維持し続けることは容易でなかったりする。その際、冷静になってなぜ今このようなことをしているのかを整理して、目的を見失わないようにすることが本人にも支援者にも重要になってくる。
また、どうしたら高い意識でそれに取り組むことができるか、的確に技能が身につくのか、そのための動機付けや工夫なども必要になってくるだろう。
仕事をしようとする気持ちは大事だし、実際に仕事に就くための就職活動も大事。だけど一番大事なのは、就職した後にその仕事をしっかりやっていけるかどうかであって、やっていけるだけの技能を、トレーニング(訓練)や日々の生活を通じて培う必要がある。
すなわち「職業準備性」というものが大切ということ。
※職業準備性はさほど整っていないが、就職先が本人にうまくはまったというケースもない訳ではないが、それはごく稀となる。
そして支援者は、本人が就職したら支援が終了する訳ではなく、その後の定着支援(アフターケア)にも当然注力する必要がある。