保育士になりたいという希望を語ったある児童。就労経験はほぼ無いに等しく、高校も途中で辞めてしまっている。しかし、夢や希望を持って、それを目指そうとする姿勢はとても大切だと思う。

 

そのため(希望を実現させる)には何が必要になるかを本人により理解してもらうために、一緒にハローワークへ行き、専門援助部門の担当者に話をしてもらうことした。(本来この児童は、専門援助部門の支援対象者にはならないのだが)

 

「保育士(資格取得の意)になるためには、大学や専門学校に行く必要があるけど、その前段階として高校は卒業していないと厳しいかな。また、実際に保育の求人はたくさんあっても、働くためには保育士資格が必要だったり、現在資格がなくても資格取得見込の人が採用条件だったりすることが多いかな。職業訓練から保育士資格に近いような認定資格を取得できるものもあるけど・・、それはある程度の期間訓練に通う必要があるし、訓練場所も遠くなっちゃう。今すぐ仕事を始めたい希望や事情があるのなら、今の○○くんでも働けるような求人内容を根気強く探すのがいいかな。」

 

専門援助部門の担当者は、実際の求人案件を見せてくれながら、本人にも分かりやすい言葉と口調を用いてそのように話してくれた。

 

夢や希望を持つことはとても良いことだが、そのためには現実を把握することも必要となってくる。実際にハローワークの窓口でそのような話を聞き、保育士になることはそんなに簡単なことではないと本人なりに感じたようだった。

 

しかし、そのやりとりから、将来のことを考えると高校は卒業しておいたほうが良いとの本人なりの実感を持ったようで、来年4月までに自分に合った通信制や定時制の高校を探し、仕事をしながら高校に通い、ちゃんと卒業しようとの気持ちが固まったようだった。

 

思いのほか甘くなかった現実を受け入れて、すぐに夢や希望をあきらめたり、悲観的になったりではなく、実現するためを前向きに考えられる。それはある意味本人のストレングスだと思う。

 

正直なところ、仕事をしながら高校に通うことは大変なこと。しかしやれるかどうかはやってみなくては分からないし、その挑戦(取り組み)の過程において、得るものはあるように思う。だから挑戦する気持ちを後押しできるように、こちらも全力で応援したいと思う。